Amazon販売における競争はますます激しさを増しています。そんななか、ぜひ検討したいのがAmazonブランド登録です。ブランド登録を行うことによってさまざまな機能が使用可能になるほか、販売における信頼性や認知度を高めるうえでも役立ちます。
Amazonブランド登録とは
Amazonブランド登録(Amazon Brand Registry)とは、商標登録したブランドの所有者が利用できるサービスです。公式ページには「Amazon Brand Registryは、知的財産の保護、出品情報の管理、ビジネスの成長に役立ちます。」と記載されています。
Amazonブランド登録によって利用可能になるサービスや得られるメリットにはさまざまなものがありますが、具体例のひとつとして「相乗り」対策があります。Amazonは商品ページに他の出品者が相乗り出品できる仕組みになっていますが、もし相乗りした他のセラーによって劣悪な商品が販売された場合、元の商品の評価が下がりブランドイメージが毀損されるリスクがあります。ブランド登録を行うことによって、こうしたリスクを下げることができます。
もしブランドの所有者である場合、ブランド保護などの観点からぜひAmazonブランド登録を検討することをおすすめします。
Amazonブランド登録のメリット
商品ページの編集権限を強化し相乗り対策する
他のECモールにはないAmazon特有の仕組みとして、原則として1商品につき1つの商品ページが作られる「カタログ型」のサイト構造が挙げられます。同じ商品を販売するセラーは、既存の商品ページに「相乗り」して販売する形となります。
OEMなどでブランドロゴを入れたオリジナル商品として販売する場合は独自の商品ページが作成可能になりますが、悪質な業者に相乗りされる危険性は否めません。
Amazonブランド登録を行うことによって商品ページの編集権限が強化され、他の出品者によって商品情報等が無断で変更されるのを防止できます。万一予期せぬ形で相乗りされた場合、Amazonに差止め申請を行い迅速な対応を求めることができます。
スポンサーブランド広告が利用可能
こちらは、Amazonで「ランニングシューズ」を検索した画面です。検索結果一覧の上の非常に目立つ位置に、ブランドの特集ページへのリンクが表示されています。
これはスポンサーブランド広告と呼ばれるもので、他にも検索結果の中央付近に表示されるものや商品ページに表示されるものもあります。
スポンサーブランド広告の出稿には費用がかかりますが、Amazonブランド登録を行っている出品者のみが利用可能なため競合が少なく、効果的な展開がしやすくなっています。
ストア、A+コンテンツ、Vineプログラムによるブランド構築
Amazonブランド登録を行うと、ブランドを構築・強化するためのさまざまな施策が可能になります。
こちらはある家電メーカーの「ストア」トップページです。「ストア」機能によってブランドのトップページや特集ページなどを作成することができ、ブランドストーリーを伝えたり、ブランド内での回遊性を高めてクロスセル機会の増加を狙うことができます。
また、「A+コンテンツ」によって商品ページをさらに充実させることが可能になります。豊富なモジュールのなかから選択・入力する形で、商品やブランドについてより豊かな情報を伝えることができます。詳しくは「Amazonの「A+コンテンツ」で売上アップ！効果的な商品説明の作り方」をご覧ください。
このほか、Vineプログラムによって質の高いレビュアーにレビュー投稿を促すこともできます。Vineプログラムについては、過去記事「Amazon独自のレビュー施策プログラムとは」で詳しく紹介しているのでぜひ参考にしてください。
ブランド保護プログラム
商品にコードを付与することによって商品の信憑性を確保し偽造品の被害を防ぐ「Transparency」や偽造品の出品をすばやく削除する「Project Zero」といったブランド保護プログラムに参加可能になります。
偽造品対策はブランド所有者にとって重大な問題であるのはもちろんAmazon自身の信頼性にも影響するため、さまざまな施策が打たれています。
Amazonブランド登録のデメリット
商標登録に時間と費用がかかる
Amazonブランド登録自体に費用はかかりませんが、その前提として必要な商標登録には時間と費用がかかります。一般的には約1年程度の期間が必要で、早期審査制度やファストトラック制度を利用した場合でも2ヶ月〜半年はかかります。出願料が12,000円・登録料が5年分の分割納付で17,200円と最低でも約40,000円の費用が必要になるほか、弁理士に手続きを依頼する場合はさらにその報酬も必要になります。
ブランド登録にはAmazonの承認が必要
登録申請後、内容をAmazonが検証し、承認された場合にブランド登録の特典が受けられます。もし内容に不備があった場合は却下され、その場合は改めて再申請する必要があります。
Amazonブランド登録の手順
商標登録が済んでいることが前提
Amazonブランド登録を行うには、特許庁に商標登録の出願を行い、登録査定を得る必要があります。
商標登録には、ロゴマークやネーミング（商標）を考え、商標を使う商品・サービスを指定して出願する必要があります。同一もしくは類似する商標がすでに同じ商品・サービスで登録済の場合は商標登録ができないので、J-PlatPatの「商標検索」で予め同じもしくは似たような商標が登録されていないか予め確認しておきましょう。
商標には、文字商標・図形商標・記号商標などの種類がありますが、Amazonでは文字だけ・もしくは文字と画像を組み合わせた商標のみが認められます。フォントの著作権や将来的なデザイン変更などを考慮すると、文字商標での登録がおすすめです。
商品やパッケージに商標を入れる
ブランド登録の際、登録済の商標が商品もしくはパッケージに表示されていなければなりません。すでに使用しているブランド名などを商標登録した場合は問題ありませんが、新たに作成した名称で商標登録した場合はその名称を商品に反映する必要があります。
ブランドレジストリアカウントの作成
ブランド登録にあたって、ブランドレジストリアカウントが必要になります。セラーセントラルにログイン後、Amazonブランド登録ページを開き「開始する」をクリックします。
ページ最下部の「今すぐ登録する」をクリックします。
「新しいブランドを登録」からブランド登録に進みます。
ブランド登録
「ブランドを登録する」をクリックしてブランド登録に進みます。
以降は画面の流れに従い、ブランドに関する情報・会社住所・製造および販売に関する情報の3ステップで必要事項を入力し、送信します。
申請後、1週間程度を目安に登録可否の通知が届きます。
Amazonブランド登録のメリット・デメリットとは まとめ
Amazonブランド登録とは、商標登録を行ったブランドの所有者向けに提供されるブランド保護のためのプログラムです。相乗り対策出品としても有効ですし、スポンサーブランド広告やVineプログラムの利用・ストアページの作成などさまざまなメリットがあります。Amazonブランド登録そのものは無料ですが、前提となる商標登録にはある程度の時間や費用が必要になるので注意してください。
Amazonブランドレジストリの代行登録（AmazonBrandRegistory)
商品登録センターではアマゾンブランドレジストリの登録代行も行っております。Amazonにてブランド登録をする際にすでに商標登録されている店舗さんも多くおられます。商品登録センターではセラーセントラルでのブランド登録と同時にAmazonブランドレジストリ登録も平行して実施する事も対応可能です。今回のBlog中にもAmazonブランドレジストリ登録のメリットを列挙致しましたが様々なメリットが今では準備されています。これらのメリットを享受したいが現在商標がないなどで今後取得予定である場合は検討されると良いと思います。またAmazon商品登録代行時に同時に依頼できますのでお気軽にご連絡ください。
