日本で最も良く知られている・使われているECサイトといえば楽天市場とAmazon.co.jpです。普段からネットショッピングを利用している人であれば、このどちらかをメインにしている、もしくは場合によって使い分けているという方が多いのではないでしょうか。
出店先を考える場合にも、まず候補となることが多いのが楽天とAmazonです。初めて出店するならどちらが良いのか、さまざまな観点から比較してみました。
楽天 VS Amazon 比較してみた
規模
楽天の出店店舗数は2021年末で約5万6千店、Amazonは2015年とやや古いデータになりますが約17万8千店となっています。この数字だけみるとAmazonほうが競争が激しそうに思えますが、実際には取扱ジャンルや価格帯等によってライバルとなる範囲は変わってくるため、一概には言えません。
流通金額は、楽天が2021年の国内EC流通総額で約5兆円、Amazonが2020年12月期で4兆5,100億円となっています。
日本のECサイトとしては、楽天とAmazonがトップを争い、3位以下に差をつけている状況と考えてよいでしょう。どちらも多くの利用者を抱えるサイトであり、市場規模としても大きい一方、サイト内の競争も厳しくなっています。
利用者層
ヴァリューズの調査によると、Amazonと楽天では利用者層に違いがあります。
楽天ユーザーがほぼ男女半々であるのに対し、Amazonは男性が多めになっています。
年代別に細かく見てみると、20代・30代男性ではAmazonの利用割合が高く、40代・50代・60代の女性では楽天の利用割合が高くなっています。
若い男性に人気のガジェット系商品を扱うのであればAmazon、中高年女性向けの美容グッズを扱うのであれば楽天というように、利用者層を考えて出店先を選ぶのも一つの考え方です。
出店コスト
出店コストが低いのはAmazonです。販売する商品が49点までであれば、小口出品として1商品につき月額100円が基本となります。ただし、小口出品は広告が出せない等さまざまな面で制約があるため、基本的には月額4,900円の大口出品を選択するのがおすすめです。
楽天の場合、最も手軽な「がんばれ!プラン」で月額19,500円となります。年間一括払いとなることやシステム利用料が上位プランと比べて割高であることを考えると、楽天に出店するのであれば月額50,000円のスタンダードプランも視野に入れておいたほうがよいでしょう。
出品の簡単さ
ECモールに出品する際は、商品ページを作成する必要があります。管理画面から1件ずつ商品名や価格等の情報を入力するか、CSVファイルを作成してまとめて登録するかのいずれかの形になります。文字数などの入力ルールもモールによって異なるため、出品時の商品登録作業を負担に感じる方は多いです。
基本的には楽天とAmazonで出品作業の手間はそれほど変わりませんが、Amazonの場合、既にAmazonで販売中の商品に関してはその商品ページに「相乗り」する形で新たにページを作成することなく出品できます。販売価格等の最小限の項目を入力するだけで非常に簡単に出品できるため、このに関しては、Amazonに大きなアドバンテージがあります。
ショップの独自性の出しやすさ
ショップの独自性の出しやすさに関しては、楽天に軍配が上がります。というよりも、Amazonではショップの独自性を出せる余地はほぼないといって良いでしょう。
ECサイトを利用する際、トップページから検索し、良さそうな商品ページを見てみるという行動パターンが最も一般的です。
楽天の場合、商品ページから店舗トップページ・店舗カテゴリページ・店舗の他の商品ページへの動線があります。商品ページを見て気に入れば店内の他の商品を見てみることができますし、お店が気に入れば、ショップをお気に入り登録する・メルマガを購読する等のステップへ進むこともできます。
店舗としては、多くのお客様にファンになってもらえるよう、魅力的なトップページを作る・定期的にクーポンやメルマガを発行してリピートを促す等の施策が可能です。
Amazonは店舗トップページや店舗カテゴリというものがなく、メルマガ等でお客様にアプローチする手段もありません。そのため、カートボックスの獲得が非常に重要であり、そのための最大のカギは価格競争力になります。
ショップの独自色・個性を打ち出しファンを育てていくような方向性であれば、楽天を選ぶのがおすすめです。
楽天への出店はこんな人におすすめ
楽天市場への出店が向いているのは、下記のようなケースです。
・女性に人気のカテゴリ(ファッション・コスメ・インテリア・グルメ等)
・ページをしっかり作り込みたい
・ショップの独自性を出してリピーターを育てたい
楽天には、お買い物マラソンや楽天ポイントなどショッピングそのものを楽しめるさまざまな仕掛けが用意されており、Amazonと比べて女性ユーザーの利用が多くなっています。
楽天の商品ページは、商品説明の下に購入ボタンが設置されていて、商品についてじっくりと説明し興味・関心を高め納得して購入してもらう流れを想定した作りになっています。また、季節のイベントに合わせた特集ページやメルマガなどによってリピート購入を促す等、お客様とコミュニケーションを取り継続的な関係を作っていくような売り方が得意な方には楽天市場が向いているといえます。
Amazonへの出店はこんな人におすすめ
Amazonへの出店が向いているのは、下記のようなケースです。
・若い男性に人気のカテゴリ(パソコン・周辺機器、家電等)
・仕入れ力・マーケティング力がある
Amazonは楽天と比べてユーザーのページ滞在時間が短い傾向があります。商品ページのレイアウトを見ても、商品写真と価格のすぐそばに購入ボタンがあり、これと決めた商品をサクッと買うのに向いた作りになっています。
カートボックスを獲得できるだけの価格競争力のある商品を用意できる、仕入れ力・マーケティング力がある方にはAmazonが向いているといえます。
楽天 VS Amazon初めてモール出店するならどちらが良いのか まとめ
初めてモール出店するにあたって、楽天とAmazonのどちらにしようか迷う方は多いかもしれません。どちらも日本屈指の大型ECサイトですが、コスト面やユーザー層の違いのほか、得意としている「売り方」にも違いがあります。価格競争力のある商品であれば、Amazonでカートボックスを取ることによって圧倒的な売上を作れる可能性がありますし、商品のストーリーを丁寧に説明してクロージングまで持っていくような売り方が得意であれば楽天が向いているといえます。ぜひさまざまな観点から検討してみてください。
楽天市場への商品登録代行やAmazonへの商品登録外注などを検討されている場合は、お気軽にお問合せ下さい。