EC販売においては価格設定は重要なキーポイントです。最安値で出品してカートを獲得したい、十分な利益率を確保したい等、価格設定にあたってはさまざまな思惑がからみます。昨今は、原材料や輸送コスト・仕入れ価格の上昇などから販売価格を上げるケースも増えているのではないでしょうか。
Amazonの価格設定ポリシー違反の危険性
Amazonで価格設定を行う際、気をつけたいのが「価格設定ポリシー」です。購入者の信頼を損なうと判断される価格設定の出品は、出品停止などの措置が取られます。
ポリシー違反の判定は自動判別で行われ、おすすめ出品からの取り下げ、出品の取り下げ、配送オプションを一時停止といった措置が取られます。重大な場合、もしくは繰り返される場合は出品権限の一時停止またははく奪もあり得ます。
こうした措置が取られるようになったのは、コロナ禍でマスク等の高額転売が横行したことがきっかけと言われています。本来は悪質なケースへの対応策としての仕組みですが、特に悪意なく行った価格設定がポリシー違反になってしまう場合があります。ポリシーの内容や、出品停止担ってしまった場合の対処方法はぜひ確認しておくことをおすすめします。
価格設定ポリシーの内容
購入者の信頼を損なう価格設定として挙げられているのは、下記のようなものです。
・購入者に誤認を生じさせる商品またはサービスの参考価格の設定
・AmazonまたはAmazon以外での最近の販売価格よりも著しく高い価格を商品またはサービス価格の設定
・同一商品をまとめ売りする場合、1ユニット当たりの価格が、同一商品の単一ユニットの出品よりも高い価格となる商品またはサービス価格の設定
・商品に法外な配送料を設定すること。Amazonでは、配送料が適正な価格設定に関するポリシーに違反しているかどうかを判断する際に、一般的な配送会社の現行料金、妥当な手数料、購入者の認識を考慮します。
「Amazonストアにおける適正な価格設定に関するポリシー」は、セラーセントラルのヘルプに掲載されています。
価格設定の詳細
セラーセントラルの「在庫」のページで「比較対照価格と法人価格を表示」をクリックすると、「価格設定の詳細」がポップアップします。
「比較対象価格」として表示されるのは、「おすすめ出品」「競争力のある価格」「最低価格」の3つです。商品の価格設定の目安として参考にしてみてください。
「おすすめ出品」とは、カートを獲得しているものです。商品ページの「カートに入れる」や「今すぐ買う」ボタンの対象となっている出品を指します。上記の例では、販売価格¥2,024で656ポイント(32%)が付与される設定になっていることが分かります。
「競争力のある価格」とは、Amazon以外の大手小売サイトと比較した最低価格です。上記の商品の場合、送料を含め¥1,918以下となるよう設定することで、他のサイトと比べても競争力のある価格設定となります。
「最低価格」は、Amazonにおける現在の最低価格です。
出品停止になってしまったときの対応方法
価格設定ポリシー違反の判定は自動で行われているため、コスト高騰などの正当な理由がある場合でも出品停止となってしまうケースが多々あります。テクニカルサポートに相談しても個別の事情に対応してもらえる可能性は残念ながら薄いようです。
Amazon側から提示される参考価格には以下のような要素が含まれています。思いがけず出品停止になってしまった場合は、ぜひこれらをチェックしてみてください。
・おすすめ商品(ショッピングカートボックス)の価格
・60日間の平均販売価格
・14日間の最高価格(Amazonが出荷および販売)
・定価
「60日間の平均販売価格」の影響を受けるケースを1つご紹介します。ハロウィンやクリスマスなどの季節性の強い商品の場合、イベント当日に向けて売り切りを意識してどんどん価格を下げ、最終的にはたたき売り状態になることがあります。当日を過ぎて急に元の価格に戻すと直近の平均販売価格との乖離が大きくなり、高価すぎる価格設定と判定されてしまう場合があります。
販売価格を変更する
「価格設定が高すぎる可能性」と表示されて出品停止となってしまった場合、価格を安く変更するのが最もシンプルな対処方法です。反対に「安すぎる」と判定されてしまうケースもありますが、対処としては同様にカートボックスの価格などを参考に適切と思われる価格に変更します。
出品価格の下限・上限を設定する
価格を変更するのが最も簡単な対処方法だとはいえ、利益率などを踏まえて設定した販売価格を簡単には変更できない場合もあります。その場合、価格の下限・上限を設定することで回避できる場合があります。セラーセントラルの「出品価格の下限」「出品価格の上限」を入力し、下限と上限の間に販売価格が入るようにします。
メーカー希望価格を設定する
商品編集画面で「メーカー希望価格」を入力することでエラーを回避する方法もあります。ただし、この欄は本来、メーカーが提示する希望小売価格を入力すべきものである点、設定したい販売価格とメーカー希望価格が大きくかけ離れている場合には出品停止が解除されない可能性が高い点には注意が必要です。
Amazonの価格設定戦略の難しさ
Amazonでの価格設定戦略において特に難しいのが、相乗り出品者の影響を受ける点です。Amazonの場合、基本的には同一の商品ページ上に同じ商品を販売する競合先が相乗りする形となります。
メーカー希望小売価格などを踏まえた適正と思われる販売価格を設定していても、同じページに相乗りしている競合先が極端に安いもしくは高い価格で長期にわたって販売すると、その影響で価格が高すぎる/安すぎると判定され出品停止となってしまうことがあります。
なかには、相乗り出品者の影響によってメーカーなのに定価で販売することができなくなってしまったケースもあるようです。そのような場合、出品者のページの「質問する」ボタンから出品者に警告メッセージを送るという方法もあるにはありますが、確実性は低いでしょう。
相乗りリスク対策としては、Amazonブランド登録があります。もしブランドの所有者である場合、Amazonブランド登録を行うことで商品ページの編集権限を強化することができるほか、もし相乗りされた場合にも、Amazonに差止め申請をする等対応を求めやすくなります。詳しくは別記事「Amazonブランド登録のメリット・デメリットとは」をご参照ください。
Amazonでの価格設定戦略の重要性とは まとめ
Amazonで販売を行ううえでは、価格設定が非常に重要です。その際、注意したいのが価格設定ポリシーです。ポリシーに基づいて自動的に判定が行われており、価格設定が高すぎる、あるいは安すぎるとして販売停止となってしまう場合があります。対処方法としては価格変更が基本となりますが、出品価格の下限・上限やメーカー希望価格の設定によって出品停止を解除できることもあります。
Amazonでは価格戦略とともに商品を出品し販売している事も同様に重要です。商品が出品されてなければ当然販売には結びつきません。Amazon 商品登録代行 Amazon 商品登録外注 が必要な場合は商品登録センターへお気軽にお問い合わせください。特に大量商品登録やパンフレットや卸サイト・メーカーサイトからの情報取得などからのAmazon商品登録なども柔軟に対応致します。アマゾン商品登録代行では、自社で行う場合では人的リソースやノウハウが常時必要となり、人的リソースを確認しつつまた頻繁に変わるアマゾン側のルールに即応しつつ、時間をかけずにスムーズに出品することがどれだけ大変かというのは実際Amazonへ出品されている方であればわかるかと思います。そのため商品登録センターへ依頼されるほとんどの店舗様が自社でも出品登録は行いつつ、大量出品や並行での商品登録などを使うなどしてうまく運用されています。