ECサイトというと、日本ではAmazonもしくは楽天市場を思い浮かべる人が多いです。幅広いジャンルの数多くの商品を取り扱っている大手ECサイトという点では同じですが、サイトの仕組みや特色では異なる点がいくつもあります。
出品する側としても、Amazonには楽天をはじめとする他のECサイトとは異なる点が多いと感じる方が多いのではないでしょうか。Amazonならではの特徴のひとつのポイントとなっているのが「JANコード」です。
Amazon出品の鍵となるJANコード
Amazonは、楽天市場やヤフーショッピングなどとは異なり「カタログ型」のサイト構造を採用しています。たくさんのショップが大きなモールのなかに出店している「モール型」の場合の基本単位は「店舗」ですが、たくさんの商品をまとめた「カタログ型」の場合、基本単位は店舗ではなく「商品」となります。
Amazonは「カタログ型」のサイトとなっているため、同一の商品は複数の出品者が出品している場合でも1つの商品ページで扱う仕組みです。このため、ある出品者が出品しようとしている商品とすでに掲載されている商品が本当に同一のものであるかという判断が非常に重要です。
同一の商品であるかどうかの判断は「JANコード」を用いて行われます。Amazonへ出品する際は、一部の例外を除いてJANコードが必須です。
JANコードとは
JANコードは商品を識別するためのコードです。日本国内ではJANコードという呼び名が一般的ですが、国際的にはEANコードと呼ばれます。AmazonのセラーセントラルでもEANコードと表記されていることが多いです。アメリカやカナダで用いられているUPCと互換性があり、日本国内だけでなく国際的にも通用する共通商品コードとなっています。
JANコードは、国際規格に基づきルールに沿って発行されます。1つのJANコードは必ず1つの商品を表す仕組みになっており、他の商品と被ってしまうことはありません。
会員制サイトなどの各種サービスでは、会員番号が発行されることが一般的です。会員番号の代わりに例えば氏名で判別しようとすると同姓同名の場合に困ってしまいますが、一人のユーザーに一つの会員番号が付与されていれば、同姓同名であっても確実にユーザーを判別することができます。JANコードはこれと同じ仕組みを商品に対して用いています。
私たちの最も身近でJANコードに触れられるのは、市販されている商品についているバーコードです。JANコードをルールに基づいてバーを使って表したもので、ハンディ端末などで読み取れるようになっています。
JANコードの構造
JANコードは、下記の3つの部分から成り立っています。
GS1事業者コード+商品アイテムコード+チェックデジット
標準タイプ13桁のJANコードの場合、最も一般的な体系としてはGS1事業者コード9桁・商品アイテムコード3桁・チェックデジット1桁となります。
GS1事業者コードは一般財団法人流通システム開発センターによって貸与されます。商品アイテムコードは各事業者によって設定されます。チェックデジットは所定の計算式によって算出されます。
JANコードの取得方法
JANコードを取得するためには、まずGS1事業者コードを取得する必要があります。
GS1事業者コードの取得方法
GS1事業者コードを取得するには、一般財団法人流通システム開発センターへ登録申請を行います。申請にあたっては、12桁の会社法人等番号(法務局によって発行されるもの)もしくは13桁の法人番号(国税庁によって発行されるもの)が必要です。
流れとしては、メールアドレスを登録のうえサイトの申請フォームより申請し、所定の登録申請料を支払う形です。申請内容に不備がなく入金が確認できれば7営業日程度で登録通知書が送付されます。
GS1事業者コードは、1年ごとに更新が必要です。かつては3年ごとの更新でしたが、GS1各国の情報管理水準に合わせて2021年に変更となりました。
GS1事業者コードの取得費用
登録申請料は事業者の売上高によって7つの区分が設定されています。年間売上高5000億円以上の場合は登録管理費306,900円、1億円未満の場合は16,500円となっています。登録管理費に加えて初期申請料も必要です。上記は3年払いの場合ですが、1年払いも可能です。
商品アイテムコードの設定方法
商品アイテムコードはGS1事業者コードを付与された事業者内で自由に設定することができます。商品アイテムコード・チェックデジットを含め、JANコードの設定内容を流通システム開発センターに報告する必要はありません。ただし、希望があれば同財団が運営するGS1 Japan Data Bank(GJDB)にJANコードや商品情報を登録することも可能です。
商品アイテムコードは単品識別できる最小単位で設定します。容量・色・味などの仕様が異なるものについては全て別の商品として異なる商品アイテムコードを付与します。
商品アイテムコードの付与方法としては、商品が発生する都度1番から順次設定する方法が推奨されています。商品ジャンル等によって体系的に設定したくなりますが、分類が変更になったり商品点数が予想以上となった場合にかえって煩雑になってしまうことも考えられるため、基本的には1番から順番に付与していく方法がよいでしょう。
付与した商品アイテムコードは、事業者内できちんと管理しておきましょう。商品アイテムコードの管理は流通システム開発センターでは関与しないため、何番まで使ったか分からなくなってしまった場合に問い合わせても回答は得られません。ただし、GJDBに登録していれば自社商品情報の台帳として必要に応じて参照することができます。
チェックデジットについて
チェックデジットは、GS1事業者コードと商品アイテムコードから所定の計算方法によって求められます。
計算方法は流通システム開発センターのサイトで公開されているほか、GS1事業者コードと商品アイテムコードを入力すれば自動的にチェックデジットが求められる計算フォームも用意されています。
チェックデジットは、読み誤りがないかを確認するために用いられます。例えばハンディ端末でバーコードを読み取った際、汚れや印刷のかすれなどによって誤った値を読み取ってしまう場合があります。データ部(JANコードの場合はGS1事業者コード+商品アイテムコード)から算出されるチェックデジットと末尾のチェックデジットが一致しなければ、エラーとして検知される仕組みです。
Amazon出品時に必要なJANコードの意味合いとは
Amazonでの商品出品において、基本的にはすべての商品にJANコード(JAN UPC EAN ISBN ASIN)を紐づけて出品することが求められています。商品にJANがある場合は、それを利用してAmazonに登録する必要があります。これを「相乗り出品」と呼びますが、JANコードの確認や商品のJANコード調査が面倒だからといってノーブランドでの販売で逃げる事が出来ていましたが、これも最近は厳しい出品環境となってきました。
以前までは製品コード免除申請を取得することで、JANがある商品でも出品できた時期もありました。しかし、現在はそれらの方法ではエラー(Amazonエラーコード関連)が発生し、登録が難しくなっています。登録ができたとしても、将来的に検索対象外やエラーが発生する可能性が高まります。
一部の人は、JANがある商品に対して自分のJANを発行し、独自の商品として出品できるかという疑問を抱きます。しかし、これも簡単ではありません。単にJANを発行して出品した場合、商品画像や商品文面が他のブランドに類似していると、ブランドエラーを引き起こす可能性があります。また、Amazonブランド(Amazon Brand Registory)に登録されている場合は、ブランド主から排除される可能性もあります。これらの理由から、既製品に対してJANコードを発行して販売するのは難しいと考えるべきです。
ただし、中国輸入などで似たような商品(NBではない商品)では、パッケージや日本語の仕様書、ブランドロゴ、タグなどを工夫することで、PB風に見せかけて販売することは可能かもしれません。しかし、これにも慎重に取り組む必要があります。
Amazon出品の為のJANコード(GTIN)取得方法とは まとめ
Amazonでは、出品にあたってJANコードが必要となります。JANコードは国際規格に基づいてルールに沿って発行されます。GS1事業者コードと商品アイテムコード・チェックデジットからなり、このうちGS1事業者コードについては流通システム開発センターに申請し取得する必要があります。商品アイテムコードは事業者内で単品識別できる最小単位ごとに付与します。チェックデジットは所定の計算式によって算出します。
JANコードを取得した後のAmazonへの商品登録代行 商品登録外注 や、JAN無しでの新規のAmazon商品登録代行をお探しの場合は一度お問合せください。JANコードが大量があって紐づけ出品も大変、メーカーから直接取引を行ってるがブランドエラーにて苦労して出品している、またはブランドエラー(5665 5461 等)にて毎回ブランド申請を行っていて苦労しているなど。。Amazon商品登録代行に関するお問合せはお気軽にお声がけください。