Amazonならではの特徴のひとつに、1つの商品ページ上に複数の出品者が「相乗り」する仕組みがあります。楽天市場などの一般的なモールと異なり同じ商品であれば1つのページに集約されているため、お客様にとっては複数のページを比較検討する手間が省け効率的です。
出品側としては、出品時の手順が場合によって異なるため注意が必要です。今回は、すでにAmazonに出品されているのと同じ商品を出品する「相乗り出品(紐づけ出品)」について解説します。
相乗り出品・紐づけ出品とは
Amazonの商品登録は、その商品がすでにAmazonで販売中かそうでないかによって登録方法が異なります。すでにAmazonで販売されている商品を出品することを「相乗り出品」(もしくは、紐づけ出品)と言います。
Amazonは楽天市場やヤフーショッピング等の一般的なECモールとは異なる「カタログ型」のサイト構造が特徴です。一般的なECモールはその名の通り「モール型」の構造となっており、ECサイトのなかに多数のショップが出店し、それぞれのお店ごとに商品を並べている形式です。そのため、同じ商品であってもお店ごとに商品ページを作成して商品登録を行う形です。
これに対しAmazonは、出品者ではなく商品が基本単位となったカタログ型で、同じ商品を複数の出品者が販売する場合は同一の商品ページ上に「相乗り」する形となります。
相乗り出品はAmazon特有の出品形式であり一般的なECモールにはないものなので、最初は商品登録の手順をイメージしにくいかもしれません。
相乗り出品・紐づけ出品の方法
相乗り出品・紐づけ出品の方法は、新規出品の場合と比べて非常にシンプルです。実際に流れを見てみると、むしろ新規出品の場合よりも簡単と感じられるのではないでしょうか。
相乗り出品・紐づけ出品の手順
セラーセントラルにログインし、画面上部のメニューの「商品登録」をクリックします。
検索窓に商品コードや商品名を入力し、出品したい商品を検索します。
商品が見つかったら、「コンディションを選択」から商品のコンディション(「新品」など)を選択し、「この商品を出品する」ボタンをクリックします。
出品情報の画面に移ったら、「出品者SKU」「商品の販売価格」「ポイントパーセント」「コンディション」「フルフィルメントチャンネル」の各項目を入力します。このうち、入力必須なのは「商品の販売価格」と「コンディション」のみです。「保存して終了」ボタンをクリックすれば完了です。
相乗り出品・紐づけ出品の注意点
出品手順そのものはとても簡単ですが、相乗り出品・紐づけ出品を行うにあたってはいくつか注意が必要です。
JANコードで同一商品であることをチェック
Amazonでは、一部の例外を除き、商品登録の際にJANコードなどの第三者機関が発行する商品コードが付いていることを原則としています。
相乗り出品・紐づけ出品を行う際は、商品のJANコードを使って自分が出品しようとしている商品と同じものであることを確認しましょう。
写真や商品名だけで判断して出品すると、似ているが異なる商品のページに誤って相乗りしてしまう可能性が考えられます。色・サイズ・型番などの詳細を確認するのはもちろん、商品を探す際にJANコードを使って検索し正確性を高めることをおすすめします。
特に大量に出品する場合などでは、JANの相乗りを行う事が目的となりがちですが、数パーセントの割合でJANの誤りがある事に気づかされます。特に、Amazon側のカタログになくJANで探しても見つからない場合は、相乗りができないので新規出品となりますが、この時点で、新規出品になれてない店舗さんや業者が登録する事で、SKU単位や色、サイズ、スペック間違えが発生している事があります。JANがあっているのに商品情報が間違えている場合の紐づけ間違えはクレームや返品となってしまいますので、誤って相乗りしないように注意が必要です。
Amazonのカタログの登録部分は正直だれか別の店舗がやってほしい・・・価格だけ入れたいと思うのは普通の流れです。なので初期登録時には労力はそこそこにブランド保持者等に商品情報をお任せするという事も1つはありだと思います。但し時は金なりです。常にスピード感を持って販売を開始するのは商売としては定石なので、商品登録スピードを上げるか、またすっぱり諦めて相乗りできる部分だけで、価格の勝負にでるか店舗様のAmazon出品の方針に基づき運営されると良いと思います。
権利関係に注意
商標登録のある商品やオリジナルブランド商品への相乗りは、権利関係に注意が必要です。相乗り出品した場合、知的財産権の観点から刑事責任を問われる可能性も否定できません(ブランド保持者であってもそれぞれの販売形態やルートが異なる場合などパターンが様々なので、実際問題となりそうな場合は、仕入れ元やブランド保持者への問合せが必要です)。もし、メーカーや販売店から出品取り下げを要請された場合はすぐに従いましょう。
ODM・OEM商品の場合、ロゴやパッケージも含め全く同一でない限り同一商品とは見なされないため、相乗り出品は不可となります。パッと見で同じものだと判断してしまうのではなく、完全に同じ商品であることをしっかりと確認してから出品するようにしてください。
逆に、自分がブランド主でOEM元で商標権を保持している場合ですが、その場合はAmazon Brand Registory というブランド保護のプログラムがあるのでこれに登録してブランド保持者の権限を行使することがAmazon上でできるようになります。ここでいうブランド保持者ですが、これはAmazonのブランド申請で通ったブランドではなく、商標権を持つブランド保持者の事を指します。ブランドレジストリを保持後、Amazonへ出品する場合でも、Amazon上のブランド申請は手続きとしては必要となりますので注意が必要です。
価格競争が厳しい
相乗り出品は少ない入力項目だけで手軽に出品できる反面、価格競争が厳しくなっています。価格競争力の点で他の出品者に劣る場合、相乗り出品しても成果にはなかなか結びつきにくい現実があります。
特にAmazonが出品している商品は価格競争力が高く、他の出品者がカートを獲得できる見込みは極めて薄いです。
カートボックスの「販売元」の項目に「Amazon.co.jp」と表示されている場合、相乗り出品すること自体はできますが、売上の期待値はかなり低くなってしまいます。
相乗り出品・紐づけ出品を活用するポイント
価格競争力が大きなカギ
複数の出品者が相乗りしているAmazonの商品ページ上では、価格競争力が最大のカギとなります。もし、すでにAmazonで販売されている商品で現在よりも優位な価格で出品できる場合、簡単な手順で相乗り出品するだけですぐにカートを獲得し高い成果をあげられる可能性があります。
すでに一定のアクセスを集めている商品ページへの相乗り出品・紐づけ出品であれば、アクセスアップのための労力もあまりかけずに済み、非常に効率的です。
顧客満足度アップの地道な対策も必要
基本的にAmazonの相乗り出品の成果は価格競争力次第という面が大きいですが、他の出品者との価格差があまり大きくないケースでは、コツコツと顧客満足度アップのための施策を積み重ねていくことも必要です。
スピーディーな配送や丁寧な梱包はもちろん、誤って色違いやサイズ違いの商品を送ってしまうというようなミスをなくし迅速・正確な対応をしていくことで顧客満足度を高め、出品者評価につなげていきましょう。価格差がわずかで出品者評価に大きな差がついているようなケースでは、お客様は少し高くても安心できるほうから購入することも十分ありえます。
Amazon相乗り出品・紐づけ出品の方法と注意点 まとめ
Amazon特有の出品方法である相乗り出品・紐づけ出品は、楽天市場やヤフーショッピング等の一般的なECモールにはないものなので初めは分かりにくい・難しそうという印象を持つ方もいるかもしれません。実際には通常の商品登録よりも入力項目が少なく、非常にシンプルな手順で出品することができます。ただし、相乗り出品・紐づけ出品で実際に売上を伸ばしていけるかどうかは価格競争力に大きく左右されます。また、JANコードを使って間違いなく同一の商品であることを確認すること、商標登録やオリジナルブランド等の権利関係などには注意が必要です。価格競争力の高い商品であれば、すぐに高い成果をあげられる可能性もあるので、ぜひトライしてみてはいかがでしょうか。
とは言ってもアマゾン 商品登録を相乗り 紐づけ出品いて大量に出そうとすると、まずはJANがAmazonカタログ上になるかどうかをチェックして、その上でこの記事上でも記載しましたが、本当にそのAsinに誤りがないのか、このJANに紐づけてよいのかのチェックが必ず必要です。また出品後も、単に紐づけであってもブランド系のエラーやそもそも相乗りできないなどのエラーがでる事もありますので、それらの処理を1つ1つつぶしていく必要性が発生いたします。Amazonへの相乗りを大量に出品する場合は、Amazon 商品登録代行 外注 をご相談ください。また定期的にご依頼頂く場合でも勿論対応が可能です。(新規商品登録代行 外注 も大歓迎でございます)